健康コラム冬の動脈硬化を防ぐ
冬の「気温」が心筋梗塞の発症率を高めます。気温が低下すると、身体は血管を収縮させて体温を維持しようとするため、血圧が上昇してしまい、高血圧から心筋梗塞を起こしやすくなるのです。気温の下がる冬は、動脈硬化が起こりやすく、心筋梗塞や脳梗塞の危険性が高まる季節。そこで、普段の生活でできる予防法をご紹介!
1.簡単!動脈硬化チェック
- 動脈硬化チェックリスト1
(当てはまる項目が多いほど注意が必要!) -
- 血圧が高め
- たばこを吸う
- 太り気味(BMIが25以上。または腹囲が男性85cm以上/女性90cm以上。)
- 最近、寝不足
- ストレスを感じることが多い
- アルコールを週に3日以上飲む
- 運動不足だ
- 普段座り仕事が多い
- 魚より肉をよく食べる
- 濃い味付けが好きだ
- いつも満腹まで食べる
- 動脈硬化チェックリスト2
(1つでもあてはまれば要注意!) -
- 高血圧(上130以上/下85以上)
- 糖尿病
- 脂質異常症
1つでも当てはまる人は、生活習慣の改善につとめましょう。心筋梗塞にならないための冬場の過ごし方をご紹介!
2.心筋梗塞にならないための冬場の過ごし方
- 1.脚を温めよう
「脚は第二の心臓」と言われるように、血行に大きく関わっています。脚を温めることは血行を維持し血圧の上昇を防いでくれます。外出する際にはズボンの下に股引やタイツ、厚手の靴下を履き、外気を遮断するようにしましょう。
- 2.温度管理をしよう
強く寒さを感じないように注意します。外気温と室内温度との差を感じすぎないように、暖房をかけすぎず、セーターなどで厚着をして外との温度差を小さくするように心がけましょう。
- 3.熱いお風呂は避けよう
寒い外から帰ってきて温かいお風呂に入ることは気持ちいいものですが、熱すぎるお風呂は血圧を急上昇させてしまいます。冬のお風呂はぬるめのお湯で時間をかけて温まりましょう。朝風呂は、高血圧の原因になるので禁物です。
生活面での改善とともに、危険因子を取り除くことが必要。次は、動脈硬化を防ぐ上で大切な血管の健康にかかわるコレステロールについてのお話です。
3.血管を硬くもろくする余分なコレステロール
- ●コレステロールに要注意
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HDL(善玉)コレステロールは、LDL(悪玉)コレステロールとは反対に働きます。全身の血管壁から過剰なコレステロールを抜き取って、肝臓に運ぶ役目を持つのがHDL(善玉)コレステロールです。この値が低いと、動脈硬化を進行させる原因となります。HDL(善玉)コレステロールとLDL(悪玉)コレステロールとの値を適切に管理することが動脈硬化性疾患の予防につながります。
- ●悪玉コレステロールを減少させる方法
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コレステロールについて注意しなければならないのは、「コレステロールの総量」ではなく「コレステロールの総量に対するLDLの量」です。どうすればLDLを効率よく減らすことが出来るのでしょうか?
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- 脂肪分の取り方の見直し
- 肉に含まれる動物性脂肪分は、LDLを増加させ血液の流れを悪化させやすい性質があります。しかし、植物性脂肪分や魚の脂肪は血液の流れを改善する働きがあるため、動脈硬化の予防にも役立ちます。献立を見直し、魚料理をメインにするなどの工夫が大事です。
- 運動する
- 適度な運動は、悪玉コレステロールを善玉コレステロールに変換する働きがあります。これは運動することによって傷ついた筋肉細胞が再生するのにコレステロールが必要になるためと考えられます。適度な運動は血中の中性脂肪の消費にもつながり肥満の改善や防止にも効果的です。
- 食物繊維で便秘を予防
- 腸内の掃除を行う食物繊維は、悪玉コレステロールの低下にも効果があります。食物繊維は、中性脂肪やコレステロール、糖質などが腸から吸収されることを防ぎ、胆汁酸とともに体外に排出します。便通を良くすることは、悪玉コレステロールの低下にも効果があるのです。