その他

牡蠣とノロウイルス

投稿日:2016年11月30日

「海のミルク」と称される牡蠣。
冬は、牡蠣がおいしい季節ですね。
貝殻にこびりついた生牡蠣に、
レモン汁をたっぷりかけると、
まろやかなうまみと
爽やかな磯の香りが口いっぱいに広がります。

牡蠣

牡蠣は亜鉛や鉄分、カルシウム、タンパク質などを
多く含む栄養満点の食材であると同時に、
ノロウイルスに感染する危険性が高いとされています。
そのため「ノロウイルスに感染するのが怖いので、
牡蠣そのものを食べるのを我慢する」
という方も多いようです。

しかし、ノロウイルスに感染する危険性を持つのは、
なにも牡蠣だけではありません。
アサリやシジミ、ハマグリなどの二枚貝は、
すべてノロウイルスに感染する危険があるといわれています。
その理由は、二枚貝の生態にあります。

二枚貝は、海水を吸い込んで、
エサとなるプランクトンを体内に取り込みます。
この時、人間が排出した汚水に含まれる少量のウイルスも
一緒に取り込んでしまうのです。
取り込まれたウイルスは二枚貝の体内で蓄積し、
私たちの腸内で爆発的に増殖します。
その結果、下痢や嘔吐などの症状を引き起こすのです。

では、なぜ牡蠣だけが
「ノロウイルスに感染する危険性が高い」
といわれるのでしょうか?

そのカギは「加熱調理」にあります。
ノロウイルスは、85℃で1分以上加熱することで
死滅するといわれます。
アサリやシジミ、ハマグリなどは、みそ汁にいれるなど、
しっかり加熱して食べることがほとんどです。

ところがが牡蠣の場合、生のまま食べたり、
あまり中心部まで火を通さずに食べることもしばしば…。
これが、牡蠣は他の二枚貝に比べて、
ノロウイルスに感染しやすい食材として挙げられる理由です。

牡蠣は、中心部までしっかり火を通せば
安全に食べられます。
過度にノロウイルスに怯えて食べるのを控えるのではなく、
しっかり加熱調理をして
心ゆくまで冬の味覚「牡蠣」を楽しみたいものです。

久郷直子

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