身体の健康

芭蕉の句から感じる、歯の衰え

投稿日:2018年9月21日

歯磨き

衰ひや 歯に喰ひ当てし 海苔の砂(おとろいや はにくいあてし のりのすな)
松尾芭蕉

江戸時代の俳人・松尾芭蕉が48歳の時に詠んだ句です。
当時の海苔は砂が交じっているものが多く、
食べるとよく砂粒に当たっていたとされています。

海苔を食べていた時にジャリッと砂粒を噛んでしまう。
若い頃ならば、口の中からペッと吐き出せばそれで終わりですが、
年齢を重ねるとそうもいかない。

ジャリッと噛んだ砂粒はミシッと歯茎に食い込むような感じがして、
時には痛みが走ることも。
その瞬間に身体の衰えを感じ、ほんのり暗い気持ちになる。

この句はそんな老いへの憂いを詠んだ句だそうです。
誰でも年齢を重ねると、日常の一瞬で老いを感じてがっかりすることがあると思います。
そんな日常の一瞬を切り取って簡潔に表現しているあたり、
さすが芭蕉だと感服する思いです。

この句で詠まれている歯の老化現象は、
歯周病が原因ではないかといわれています。
歯周病は、歯肉が炎症を起こすことで歯を支える骨などを溶かしてしまう病気で、
加齢とともに患者が増える傾向にあります。

昨今では全身にも悪い影響をおよぼし、心筋梗塞や脳卒中、糖尿病、
骨粗しょう症といった様々な病気を招く原因になることがわかってきたそうです。
全身の健康を保つためにも歯周病を防ぎ、歯の老化予防に努めたいと思うこのごろです。

ここ数日で、気候がすっかり秋めいてきました。
寒暖差によって体調を崩さないよう、お出かけの際は羽織ものを忘れずに。
お健やかにお過ごしください。

久郷直子

-身体の健康

関連記事

マスク

風邪対策

秋がいっそう深まり、気温が下がってきました。 電車などでマスクをつけ、ゴホゴホしている人を見ると、気をつけなくちゃと思います。 風邪対策のポイントは、ウイルスに感染しないように免疫力を高めること。 免 …

善玉菌を増やす食事

腸から元気とキレイを手にする日

スギに続いてヒノキの花粉。花粉症でなくとも、目や鼻の痒みが辛いです。 ヨーグルトを食べるとマシになるとか、 バナナが良いとかいわれますが、 「菌活で腸内環境を整えれば、花粉症を抑えられます」 という記 …

看護

「看護の日」を通して健康を考える。

5月12日は、看護の日。 近代看護を築いたフローレンス・ナイチンゲールの誕生日にちなんで、 この日に制定されました。 社会の高齢化が進み、長く病気と付き合いながら生活する人々の数は増える一方。 それに …

「正月事始め」は「健康事始め」

今日、12月13日は「正月事始め」です。 「正月事始め」は、「煤払い」「松迎え」など、 正月の準備にとりかかる日とされます。 お歳暮の手配、大掃除、年賀状、お正月の準備、 ペットのいる人はトリミングの …

薬

セルフメディケーションで節約

この間、家計簿を見ていて、目薬の出費が多いことに気付きました。 スマートフォンやタブレットが生活に欠かせないものとなり、 目薬をさすのが習慣になったことが大きな要因だと思います。 目薬を含め、薬の出費 …