季節

たけのこに思いを馳せて

投稿日:2017年5月19日

たけのこ

種類によって、旬の時期が異なるたけのこ。

私たちがよく食べる「孟宗竹(モウソウチク)」という種類のたけのこは、
3~5月に旬を迎えるため、そろそろ食べ納めの時期になります。

たけのこには、芳しい野の香りとシャキシャキした歯ごたえがあります。
特に新鮮なたけのこが持つトウモロコシに似た独特な香りと甘味は、何とも言えません。

とれたてなら、刺身にして食べたいですね。
また、若筍煮やたけのこご飯にしても美味しくいただけます。

そんな、春の味覚・たけのこですが、実はなかなか希少な存在。

というのも、たけのこは1本の竹から約300本ほど産まれるそうなのですが、
その8割は陽の目を見ることなく、土の中で朽ちていくそうです。

竹は、夏の終わりとともに次の命を育み始めます。

しかし、気温が15度くらいにならないと地表に顔を出さないため、
多くのたけのこが私たちの知らない内に、
竹林の土中で生まれては朽ちていっているのです。

たけのこは、あの優しい味わいからは想像できないほど、
力強いパワーを秘めた存在なのですね。

地中で消えていったたけのこに思いを馳せつつ、
今年最後のたけのこを美味しくいただこうと思います。

まだまだ昼夜の寒暖差が気になるこのごろ。
今週も、元気にお過ごしくださいませ。

久郷直子

-季節

関連記事

梅の花

春よ来い

暦の上では立春が過ぎ、雨水のころとなりました。 雨水は、空から降る雪が雨へと変化して氷が溶けだす季節。 春一番が吹くのも、このころとされています。 梅一輪 いちりんほどの 暖かさ この句は、俳人・松尾 …

梅の花

一番早く春を届けてくれる梅の花

東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ この歌は、学問の神様として有名な菅原道真が詠んだもの。 昌泰4年(901年)、 時の右大臣であった菅原道真は、 藤原氏の陰謀により大宰権帥 …

彼岸花

秋のお彼岸

今年の彼岸入りは9月19日。 中日は22日で、この日が秋分です。     春分と秋分は、太陽が真東から昇って真西に沈むため、 昼と夜の長さがほぼ同じになります。 お彼岸の時期にお墓 …

都をどり

散歩が楽しい「をどり」の季節

京都の春の風物詩「2016年春のをどり」は 3月25日から5月24日まで行われ、 舞妓さんのおどりが堪能できます。 都をどり(祇園甲部)、 北野をどり(上七軒)、 京おどり(宮川町)、 鴨川をどり(先 …

柚子

冬至のゆず湯

12月22日は冬至。 1年の中で最も夜の時間が長い日です。 夜が長い…つまり暗闇がいつも以上に長く続くことから、 昔の人々は冬至を「生命が終わる時期」と考えていました。 そうした考えのもと、様々な方法 …