季節 学び 心の健康

植物に学ぶ、美しい生きざま

投稿日:2017年1月27日

連日、厳しい寒さが続いております。
三寒四温を繰り返しながら、
春へと向かってゆくわけですが、
まだまだ冬枯れの景色が広がっています。

植物の芽

暗く長い
土の中の時代があった
いのちがけで
芽生えた時もあった
しかし草は
そういった昔を
ひとことも語らず
もっとも美しい
今だけを見せている
――『<花の詩画集> あなたの手のひら』より

これは、群馬県出身の詩人・画家である
星野富弘(ほしの とみひろ)さんの詩。
彼は、中学校の体育教諭として働いていたときに、
クラブ活動の指導中に頸髄を損傷し、
手足の自由を失いました。
その後、口に筆をくわえて
水彩画やペン画を描き始め、
完成した絵に詩を添えるように。
こうして完成した作品は、
今も多くの人々に感動を与え続けています。

黒い土に根を張りどぶ水を吸って
なぜ きれいに咲けるのだろう
私は
大ぜいの人の愛の中にいて
なぜ みにくいことばかり
考えるのだろう
――『四季抄 風の旅』より

冬は、もっとも植物の強さを感じる時。
凍てつく地中や冬木立の枝先で、
春になって芽吹くためのちからを
育んでいるのです。
悲しいこと、辛いこと。
そうした苦難に耐え忍ぶ日々を
「冬」とたとえるのであれば、
それは、春にきれいな花を咲かせるための
大切な準備期間なのかもしれません。

辛いという字がある
もう少しで
幸せに
なれそうな字である
――『<花の詩画集> 速さのちがう時計』より

皆様のもとに早く春が訪れ、
色とりどりのきれい花が咲くことを
祈るこのごろです。

久郷直子

-季節, 学び, 心の健康

関連記事

スギ花粉

春風が運ぶ健康不安

春風が心地よく感じます。 暖かい風を感じながら、 入学、進級と新しい生活への希望に夢を膨らませている人も多いことでしょう。 けれども、春の風が運んでくるものは嬉しいものばかりではありません。 中には、 …

和菓子

「和菓子の日」に健康を祈る

6月16日は「和菓子の日」です。 嘉祥元年(848年)、仁明天皇によって16個のお菓子などを お供えして人々の健康を祈る行事が始められました。 この行事は、江戸時代ごろまで続いたそうなのですが、 明治 …

麦わら帽子とサングラス

今年は帽子で紫外線対策!

夏に向けて日に日に気温が高くなるこのころ、心配なのはやっぱり紫外線です。 毎年、紫外線対策に日傘を活用していましたが、お出かけの際にかさばるのが悩みの種でした。 そのため、今年は日傘のかわりに帽子を活 …

災害用グッズ

台風に備える

今日は二十四節気で処暑。厳しい暑さの峠は越え、 わずかですが秋の気配も感じられるようになってきました。 ホッと一息入れたい時季ですが、これから気になるのが台風。 そういえば、この間のお盆にも台風が来て …

気分一新、春から頑張る!

4月に入り、新たな環境で仕事や学業をスタートさせた方も多いのではないでしょうか。 日本には、新年を迎える1月と、新年度を迎える4月と、 意味合いは異なりますが、年に2度の節目があるように思います。 年 …