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高麗人参とは

高麗人参(学名:Panax ginseng C.A. Meyer)は、日本ではオタネニンジンや朝鮮人参とも呼ばれる、ウコギ科の多年生植物。高麗人参(朝鮮人参)の健康成分「ジンセノサイド」は、「花と実」の部分よりも、「根」の部分にバランス良く含まれています。一般的には、「根」の形が人の身体に似たものほど珍重されています。

時代劇では、庶民にはなかなか手が出ない高級品という描写をよく見かけますが、現代でも高いものなら実際に1本数十万円という高値で取引される貴重品です。

高麗人参(朝鮮人参)とは?

花と実
花は3年目から咲きはじめて、毎年5月中旬から下旬に開花し、採種は4年目から行います。初めは緑色ですが、次第に紅色を帯びていきます。また、果肉を除くと固い種子が出てきます。
葉っぱは双葉で、手のひらの形に似ているところから、掌葉と呼ばれます。
葉柄
葉柄は、1年に1個ずつ増えるため、通常4年目は4個、6年目では6個の葉柄を持っています。
通常、1つの根に1つの幹ができます。
根は、肥大な形で脳頭・胴体・足・尾からなります。脳頭と主根・支根がバランス良く発育すると、人の形に似た形状になります。

二千年以上も世界中で珍重されてきた和漢の王様

高麗人参(朝鮮人参)について記された中国の文献。高麗人参は昔から健康に役立てられてきました。

古くは二千年前の中国の文献でも紹介されているほど長い歴史を持つ高麗人参(朝鮮人参)。数ある和漢素材の中でも、とりわけ希少価値が高く、時の皇帝たちは多くの人手を割いて山中を探させたといわれ、王侯貴族しか入手できない時代もあったほどです。


二千年以上も世界中で珍重されてきた和漢の王様

大航海時代には、高麗人参は海を渡り、フランスの思想家ルソーや、ロシアの文豪ゴーリキーをはじめ、歴史上の様々な著名人が常用したといわれています。日本では、室町時代から輸入が始まりましたが、江戸時代には、健康マニアとしても知られている徳川家康が愛用したという話もあります。高麗人参は、とりわけ徳川家と縁が深く、時代劇でもお馴染みの8代将軍の徳川吉宗が国内での栽培を広く奨励したことで、国産の高麗人参が出回るようになったというものや、「水戸黄門」徳川光圀が栽培に失敗したというエピソードが広く知られています。

世界の偉人が愛した、高麗人参。

徳川家の八代将軍

徳川 吉宗

幕府再建に精力的に取り組んだ吉宗は、日本各地に高麗人参の栽培を広めた。

江戸幕府の創設者

徳川 家康

健康マニアとしても知られている家康も、高麗人参を愛飲したといわれる。

希代の天才軍師

黒田 官兵衛

政治工作に長け、豊臣秀吉を支えた武将。引退後は高麗人参の研究に知力を注いだ。


偉人たちの元気と若々しさを支えた、驚異の健康パワー!

近代教育学の祖

ルソー

『社会契約論』で知られる思想家。彼の著作物に、高麗人参が登場する。

中国最初の皇帝

始皇帝

中国最初の統一王朝を築いた始皇帝は、山に自生した高麗人参を常に探し求めた。

世界三大美女

楊貴妃

絶世の美女として、皇帝の寵愛を欲しいままにした楊貴妃も、高麗人参を飲んだとか。


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長い歳月をかけ、蓄えられる神秘のパワー

高麗人参(朝鮮人参)は本来、アジアの極東地方にだけ自生する植物で、高温多湿を嫌い、涼しく乾いた気候で降水量は年間1200mm程度、比較的降雪量が少ない環境を好みます。

そんな高麗人参の栽培は厳しい条件下での土壌作りにはじまり、収穫にいたるまで、実に5~7年もの長い歳月をかけて行われます。その上、栽培中は日よけや風通しの調整、雑草除去など、子育て以上ともいわれるほど非常に手間ひまがかかります。

高麗人参の栽培方法

1.土壌作り

高麗人参を栽培するのに適した土壌は、水分が潤沢で、かつ水はけの良いことが最低条件。

土壌を肥やすため、敢えてライ麦やトウモロコシを育てて、その茎葉ごとトラクターで鋤き込むことで、その後、長期にわたって高麗人参の栽培ができるだけの芳醇な土壌を作ることもあります。こうして、植え付け前から1年ほどの時間を費やして、まずは土壌作りを行うのが一般的。この土壌づくりが成功するか否かは、最終的な高麗人参の品質の善し悪しに大きな影響を与えます。


▲時間をかけて豊かな土壌を作る


2.採種と開匣(かいこう)

高麗人参の種子は、通常4年間成長したものから、7月中旬から下旬頃にかけて実が赤く成熟した時に採取します。

一方、採取した直後の種子は殻が硬く、胚芽がまだ成熟していない状態で、すぐに植え付けても、発芽するまでには20ヶ月以上ともいわれるほど非常に長い期間を要します。そのため、種を植え付けた後、発芽するまでの期間を短縮するために種の殻を開き、芽の生長を促進させる作業が必要になります。このような人為的に胚芽を成熟させ、種の殻が開くようにすることを開匣(かいこう)といい、7月下旬頃から11月中旬頃までの約100日間程度、処理作業を行います。


▲熟する前の高麗人参の実


▲高麗人参の成熟した実


3.植え付け

充分に豊かな土壌と開匣の処理が終わった種が準備できたら、ようやく高麗人参の植え付け工程に入ります。

植え付けは、まず苗圃(種から苗を育てる畑)にうねを作り、種を一定の間隔で植える1段階と、種から発芽し、1年間にわたり苗に成長した後、新しい土壌(本圃:苗を移して収穫時まで育てる畑)に移し植える2段階に分かれます。種まき、または移し植えが終わった畑には、土壌が硬くなることを防ぐためにわらを敷き、芽が生え始まる前には日よけをします。そして、植え付けの際には、畑の傾斜の角度や苗同士の間隔など、細かな技法を要します。

最近では、苗を本圃に移し植えずに、最初に種を植え付けた畑(苗圃)で、収穫するまでそのまま成長させるケースも増えています。


▲高麗人参の芽


▲苗を移し植え


4.栽培

高麗人参の栽培時は、直射日光が厳禁。大雪や大雨などにも備え、頑丈な日よけが欠かせません。風よけに防風柵も必要です。植え付けから2年間ほどは、特に神経を使う作業が続きます。3年目には花が咲き、4年目から採種が可能になります。

まいた種や植え付けた苗も、全てが順調に育つわけではありません。天候(浸水被害、凍害)や土の状態、虫喰いなどで根腐れを起こすなど、栽培期間が4~6年と長期にわたるため、自然災害に見舞われるリスクも他の作物よりも高いといえます。


▲日よけと防風柵を設置した高麗人参畑


▲高麗人参畑の内部


5.収穫

多年草の植物である高麗人参は、1年根から6年根までの年根単位で区分されます。

1年根や2年根は、健康成分ジンセノサイドの含有量がまだ少ないため、収穫されることはあまりありません。市場に出回る高麗人参のほとんどは、ジンセノサイドを豊富に含んだ4~6年根です。ちなみに、高麗人参は7年以上栽培を続けると、品質が低下します。徐々に小さく、表皮組織は硬くなり、ジンセノサイドの含有量も減少します。

一度収穫すると、その土地では10年先まで草1本さえろくに育たないといわれるほど土地の養分を吸い尽くしてしまうのも、高麗人参が持つ驚異的なパワーの証拠といえるかもしれません。


▲根を傷つけないよう、手作業で収穫


▲収穫した高麗人参


高麗人参の栽培年数と加工

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高麗人参の加工法による違い

高麗人参(朝鮮人参)は、加工法によって、大きく「水参(生人参)」、「白参(乾燥人参)」、「紅参」の3つに分類されます。特に、千年以上も受け継がれてきた伝統的な加工法を用いた紅参は、加工の過程で健康成分が大幅に増えるため、高麗人参の中でも希少価値の高い上級品として、水参や白参よりも人々の健康に広く役立てられてきました。

水参(すいさん)

畑から掘り起こしたままの生人参のこと。水参は、全ての人参加工品の原料になりますが、水分量を80%近く含んでいるため、保存しにくく、虫に食われたり腐りやすいのが難点です。日本ではあまりなじみがありませんが、家庭料理で使用されることも多く、煮ても焼いても揚げても食べることができます。高麗人参(朝鮮人参)の代表料理といえる蔘鷄湯(サムゲタン)で使用されるのも、水参です。どんな食材にも合い、すりおろしたり、生のままで食べることもあります。ただし、根の部分は苦味が強いため、料理には使わず、水にしばらく浸けてから刻んでお茶にして飲んだりするのが良いといわれています。

水参(すいさん)


白参(はくさん)

水参の皮をはがすか、あるいはそのままで、水分量が12%以下になるよう、太陽熱か熱風で乾燥させたもの。水参よりは保存がききますが、長期保存には適しません。皮をはがした場合、見た目には白くて美しいですが、皮の部分に健康成分のジンセノサイドがたくさん含まれているため、紅参に比べると働きが劣るとされています。

白参(はくさん)


紅参(べにさん)

紅参は、水参の皮をはがさずに蒸気で蒸した後、水分量が14%以下になるように自然乾燥させて加工したもの。紅色になるまで乾燥させる過程で、健康成分ジンセノサイドの含有量が大幅に増えるため、水参や白参よりも働きが強く、高麗人参(朝鮮人参)の中でも特に貴重な上級品とされています。赤褐色で非常に堅く、長期保存も可能。韓国では「ホンサム」、英語では「Korea Red Ginseng」といい、日本では「こうじん」、「あかにんじん」、「あかさん」などと呼ばれることもあります。

紅参(べにさん)


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現代も人々の健康を支える高麗人参

現代も人々の健康を支え、魅了しつづける高麗人参(朝鮮人参)

このような高麗人参(朝鮮人参)の特性や、長年にわたって神秘のベールに包まれていた健康パワーの秘密が、近年、現代科学の力によって解明されつつあります。特に、高麗人参の健康成分ジンセノサイドは、中高年だけに限らず、老若男女の間で健康や美容の維持に役立つ成分として注目を集め、近年では多くの栄養ドリンクや美容品に配合されるなど、より身近な存在として親しまれるようになっています。


現代も人々の健康を支え、魅了しつづける高麗人参

古来より受け継がれてきた高麗人参は、高齢化が進む現代社会においても和漢素材の万能選手として、健康を願う現代人の生活に、今後ますます取り入れられていくに違いありません。


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