金氏 高麗人参トップ>歳時記のある暮らし2016年11月

向寒のおり、穏やかな小春日和が嬉しいこのごろです。
皆様、おすこやかにお過ごしでしょうか。
いつも『神秘の健康力』をご愛用くださいまして誠にありがとうございます。

美しく色づくモミジやツタ、カエデやイチョウが楽しみですね。木々の葉は、散る前に見事に変色し晩秋の景色を照らします。紅葉する山を「山粧う(やまよそおう)」と表現しますが、赤や黄色、橙や褐色に色づく様子は本当に美しいものです。日本には紅葉する落葉樹林がカエデだけでも三十種類ほどあり、ヨーロッパや北アメリカの倍はあるといわれています。錦織りなす秋の山々は日本の自然の賜物ですね。

ちはやぶる 神代も聞かず竜田川 からくれないに 水くくるとは
                          在原業平

竜田川(奈良県生駒郡斑鳩町)の水面を真っ赤なモミジが覆い、まるでくくり染めにしたように見えるなんて、神代の昔にも聞いたことはありません、と詠んでいます。くくり染めは絞り染めの技法のひとつで、布の一部をつまんで糸でしばり、わざと染め残しを作って模様とする染め方。川のあちこちに紅葉が塊を作っている情景に圧倒されたのでしょうね。

晩秋の楽しみは紅葉だけではありません。稔りの季節はグルメも楽しめます。毎年十一月の第三週目の木曜日、今年は十一月十七日がワイン好きには嬉しいボジョレーヌーボーの解禁日。ボジョレーヌーボーは、その年に稔ったぶどうのみを発酵させて作られたワインですから、出来の良し悪しは、その年のぶどうの出来次第ということになります。ワインには、細胞の酸化を防ぎ老化を予防するポリフェノールが含まれています。けれども飲み過ぎると食欲が増進し食べ過ぎが起こりやすくなります。程よい量を守ってグルメの秋を堪能したいものです。

『秋のおたより』
                金子みすゞ
山から町へのおたよりは、
「柿の實、栗の實、熟れ候、ひよどり、鶫(ツグミ)、啼き候、お山はまつりになり候。」
町から山へのおたよりは、
「燕がみんな去に候、柳の葉つぱが散り候、さむく、さみしく、なり候。」

この時季の心情を端的に表していますね。山は稔りの秋を迎え、実が熟し賑やかなころ、町では冷たい風が吹き、さみしい景色となります。植物の一生になぞらえると、晩秋から冬にかけては、さみしいイメージが強くなります。春は新芽の出る季節。物事を始める希望に満ちた季節です。夏、植物は成長し、人は活動する季節です。秋は稔りや収穫の時期で、人は今までの努力の成果を受け取る時。そして冬は枯渇や静かに眠る季節のイメージです。けれども、季節は循環しているので、冬枯れの中でも新しい芽が育っています。冬は、植物も人も、新たなステップに向かう準備を始める時期なのです。

中高年にあたる秋は収穫期。「人生は一度きり」ならば最後の楽しみの季節です。確かに、ひとつの見方として、生まれて死ぬまでを一単位とするならば、人生の収穫を味わえる熟年期も一度きりです。けれども一生という単位にとらわれなければ、収穫期は植物のように毎年あります。さらに見方を変えると、毎月、毎日の中にも収穫の時はあります。日々、稔り豊かなものとするためには、不器用でも自分らしく暮らし、失敗を楽しむくらいの才覚を身につけ、冒険をためらわず、些細なことでも面白がってのめり込む童心を持ちたいものです。

秋を楽しめるのも束の間。木枯らし一号が発表されたら冬支度を始めます。十一月に入ると急に寒く感じる日が訪れます。寒さに追い込まれる前に衣類や住まいの冬支度をしましょう。身体の冬支度も大切です。中国には数千年という歴史に裏付けられた臨床試験に基づく中医学というものがありますが、中医学では、現在の体調は一つ前の季節の養生によってつくられるものと考えられています。秋に体調を整えることは、冬を元気に過ごすことにつながるのですね。

中医学の「五行学説」では、空気が乾燥しやすい秋は「燥」の季節にあたり、「燥邪(そうじゃ)」の影響を受けやすくなるそうです。肺は、鼻や喉、気管支などとつながっているため、呼吸器系の不調に注意が必要だと考えられています。秋の養生のポイントは「喜潤悪燥(きじゅんあそう)」。潤を好み乾燥を嫌う肺のために、辛味のあるダイコン、ショウガ、ネギ、シソ、レンコン、ハチミツなどで身体の中から潤し養生しましょう。

早めの寒さ対策で元気に冬を迎えましょう。


皆様のご健康をお祈りいたします。


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