今回は、京焼・清水焼のまち、京都・東山へ陶芸家の河井透さんを訪ねました。大叔父にあたる河井寛次郎氏は「釉薬の魔術師」と言われた民芸の巨匠。寛次郎氏に薫陶を得、48年にわたり創作活動を続ける河井さんの作品は、気さくな人柄がにじみ出た柔らかさと、厳しい陶芸の世界で磨かれた鋭さを併せ持っています。
土練りから釜出しまで、全ての工程を一人でこなす河井さん。特に土練りは身体全体を使っての力作業です。体力づくりのために腕立て伏せを続けているそう。「作品を発表するたび、お客様から期待されると使命感が出て仕事が楽しい。もっとこうしたいという欲も出てくるし、それが48年続いている原動力ですね」と、ハードな作業にも前向きな気持ちで取り組んでいる様子が伺えました。

河井さんは、作品の多くを蹴り轆轤を操り形作っています。片足で身体を支え、もう一方の足で轆轤を回します。自由自在に回す速さを調節する熟練の技。「私の健康の源は蹴り轆轤。足を使うから健康なんでしょうね」。併せて、奥様の栄養管理が行き届いた三度の食事、早寝早起き、たしなむ程度のお酒など規則正しい生活も忘れません。「焼き上がりが思う通りにいかないことがあるか ら、挑戦し続ける気力になる。努力することで仕事を自ら天職にしていくんです」と、情熱いっぱいに話してくれました。



1941年京都生まれ。20歳から陶業生活に入り、京都・東山に窯元を開き、1976年には亀岡市にのぼり釜を築く。作品は独自の造形と釉薬が特徴。京都陶磁器協同組合連合会会長として後進の指導にも当たっている。


































